Department of Synthetic Human Body System, Medical Research Institute, Institute of Integrated Research, Institute of Science Tokyo
豆知識・ひとり言
目次
1.大学と研究所について
東京科学大学 https://www.isct.ac.jp/ja
ひと言コメント:2024年10月1日、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、東京科学大学が発足しました。私が所属する難治疾患研究所は、統合前は東京医科歯科大学に属しており、現在も学内では「医歯学系」として位置づけられております。東京科学大学の英語名称は Institute of Science Tokyo であり、略称は Science Tokyo です。なお、大学でありながら英語名に University が含まれていない点につきましては、かつて MIT(Massachusetts Institute of Technology) や GIT(Georgia Institute of Technology) などと同様の命名方針に基づいているとの説明を受けたことがあります。参考までに、旧・東京工業大学の英語名称も Tokyo Institute of Technology であり、こちらも University を冠しておりません。
東京科学大学 大学院 https://www.tmd.ac.jp/admissions/graduate-school/
ひと言コメント:東京科学大学(医歯学系)には、医歯学総合研究科と保健衛生学研究科の2つの大学院が設置されています。医歯学総合研究科の修士課程に進学される場合は、医歯理工保健学専攻に所属することになります。博士課程については、医歯学専攻と生命理工医療科学専攻の2専攻に分かれております。進学を希望される方は、できるだけ早めに、例えば5月頃までに私宛にメールでご連絡いただけますと、余裕を持ってご対応することが可能です。特に博士課程への進学を希望され、DC1やDC2への応募を検討されている方は、3月頃までにご連絡いただけますと幸いです。入試に関する正確な情報につきましては、各研究科の公式ウェブサイトをご確認ください。東京科学大学の学内からの進学者に加え、学外からの学生の皆さまも広く歓迎しております。なお、当研究室においては、これまで学外からの学生の方が多数を占めております。
難治疾患研究所 https://www.tmd.ac.jp/mri/
ひと言コメント: 1973年9月に設立された研究所で、「難治疾患の学理と応用」を目的として活動しております。研究所には、未来生命科学、病態制御科学、バイオデータ科学の3つの部門が設けられており、当研究室である人体模倣システム学分野は、未来生命科学部門に所属しております。難治疾患研究所は、東京科学大学の中では総合研究院に所属しており、統合前の東京医科歯科大学ではMedical Research Institute(MRI)の名称で知られていました。東京医科歯科大学と東京工業大学の統合に際し、複数の附置研究所の集合体として「総合研究院(Institute of Integrated Research)」が設置され、その中の一つとして難治疾患研究所が位置づけられております。統合後の英語表記は、東京科学大学(Institute of Science Tokyo)総合研究院(Institute of Integrated Research)難治疾患研究所(Medical Research Institute)となりますが、Instituteが3つ連続する構成となるため、英語名称はMedical Research Laboratoryに変更されたと伺っております。なお、難治疾患研究所はM&Dタワーの高層階(20階前後)に位置しており、多くの研究室からの眺望が良好です。ただし、部屋によっては窓ガラスが曇っていることもあります。
M&Dタワー
ひと言コメント:東京科学大学の湯島地区に位置する大きなビルは、2009年8月に完成したM&Dタワーです。このビルは、東京医科歯科大学医歯学総合研究棟II期棟として、26階建てで建設されました。当ラボは、M&Dタワーの23階に所在しています。ビル内にはエレベーターが10基あり、そのうち6基は一般の研究者が利用しています。しかし、出勤時や退勤時、昼休み時にはエレベーターの渋滞が発生することがあります。タワーの最高部の高さは125.95mで、京都に住んでいた際には高層ビルが少なかったため、いまだにその高さに違和感を感じています。ちなみに、京都市街地で最も高い建物である京都タワーの高さは131mで、M&Dタワーとほぼ同じ高さです。1階にはセブンイレブンが入っており、とても便利です。雨の日も濡れずにコンビニに通えます。
2.研究開始時に使えると便利なもの(※私の分野に限ります)
Microsoft Office
ひと言コメント:研究活動においては必須のアイテムです。多くの大学や研究所では、Office製品に関して包括契約を締結しており、東京科学大学ではOffice 365が利用可能です。Word、Excel、PowerPointは、基本的な操作だけでなく、ある程度使いこなせることが望まれます。データはOneDriveに保存しておくことで、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、非常に便利です。大学のOneDriveアカウントでは最大5TBまで利用可能であり、容量の面でも安心して使用できます。日常的な作業ファイルの保存に加え、バックアップ先として活用するのも有効です。ただし、異動や進学などで所属先の大学が変わる際には、OneDrive上に保存されたデータが多いと移行作業が煩雑になる場合がありますので、あらかじめご留意ください。
Endnote https://www.usaco.co.jp/endnote/
ひと言コメント:論文の文献一覧を作成する際に非常に便利なツールです。ただし、有料で提供されております。私はEndNoteを使用しており、個人的には非常に使いやすいと感じております。EndNoteはClarivate Analytics社によって開発されており、日本国内での販売およびサポートはユサコ株式会社が担当しています。便利なソフトではありますが、価格はやや高めに感じられるかもしれません(あくまで個人の感想です)。私の場合、Google Scholarの「引用」ボタンを活用して文献情報を取得することが多く、EndNote形式のほか、BibTeX、RefMan、RefWorks形式のデータを活用できる点が魅力です。PubMedからも引用ファイルをダウンロードすることは可能ですが、生物・医学系以外の論文やプレプリントを探す場合には、Google Scholarの方が見つけやすいと感じております。
Mendeley https://www.mendeley.com/
ひと言コメント:論文の文献一覧を作るときに便利です。無料なので、学生にはこちらを勧めています。メンデレー以外にも多様な文献管理ツールがあるので、どれを選んでもよいと思います。
Adobe Illustrator https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html
ひと言コメント:Figureを作成する際に非常に便利なツールです。使用できると作業の幅が広がりますが、年間使用料が発生するため、環境によっては必ずしも導入が必須というわけではありません(京都大学在籍時は未導入でも問題ありませんでした)。現在所属している東京科学大学では、Adobe Creative Cloudの包括契約が結ばれており、研究室全員がAdobe CCを利用可能で、Adobe Illustratorも導入済みです。私自身、Illustratorだけで美しく整ったFigureを作成できるようになることに憧れていますが、現状ではPowerPointへの依存度が高いままです。お洒落な方はIllustratorを使いこなしている、という先入観を持っております。
Dropbox https://www.dropbox.com/
ひと言コメント:2008年に登場したオンラインストレージサービスであり、当ラボではラボメンバー間でファイルを共有する際によく活用しています。所属する機関によってはメールの添付ファイルサイズに上限があるため、大容量のファイル共有にはDropboxを使用することが多く、非常に便利です。無料版であっても基本的な機能は十分に活用でき、日常の研究活動において役立ちます。また、デスクトップアプリを併用することで操作性が向上し、さらに快適に利用できると思います。
Slack https://slack.com/intl/ja-jp/
ひと言コメント:当研究室では、チームコミュニケーションツールとしてSlackをよく活用しています。無料版では保存できるメッセージ数などに制限がありますが、基本的な機能は十分に備わっており、日常のやり取りには非常に便利です。有料プランとしては「プロ」や「ビジネスプラス」が用意されており、より多機能な環境が必要な場合に選択肢となります。SlackはWindowsやmacOSに加え、AndroidやiOSにも対応しているため、さまざまなデバイスからアクセスでき、外出先からでもスムーズに確認が可能です。もちろん、Slack以外にもチームコミュニケーションツールは数多く存在しますが、複数のツールからの通知を同時に処理するのは困難に感じることがあります。特に、少し席を外している間にチーム内で活発な議論が進んでいると、未読メッセージが一気に溜まり、すべてを把握するのが難しくなることもあります。なお、公的な依頼や重要な連絡については、メールでのやり取りが適している場合もありますので、用途に応じた使い分けが重要です。
Zoom https://explore.zoom.us/ja/products/meetings/
ひと言コメント:コロナ禍では必須のビデオミーティングシステム。当研究室ではWebExやMicrosoft Teamsもよく使っています。チームコミュニケーションツールと同様、多様なビデオミーティングシステムが登場したことで、各社のサービスの違いを把握することも大事です。オンライン会議に慣れていないときは、(1)マイクとスピーカーのテスト、(2)背景画面設定、(3)表示名、には特に気を付けるとよいです。
PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
ひと言コメント:医学系生物系論文を探すときに使います。私はOutlookのフィード機能を使って、特定のキーワードあるいは気になる研究者の論文が自動的に通知されるように設定しています。日々膨大な数の論文が公表されているので、検索法には工夫が必要です。自分の研究分野の論文をタイムリーに知るための工夫が重要です。
Google Scholar https://scholar.google.co.jp/
ひと言コメント:論文を探すときに使います。本文も含めて検索してくれるので、PubMedで見つからないときに意外とすぐに見つかります。論文の引用数も確認できます(Web of Scienceの引用数よりも若干多めに出ます)。研究者ごとの総引用数やh-index、i10 -indexも知ることができます。自分の論文を誰が引用してくれたかを調べることも出来ます。「おすすめの論文」として関連しそうな論文を通知してくれる機能もあります。
Google https://www.google.co.jp/
ひと言コメント:誰もが知っている検索エンジンだと思いますが、検索期間や画像検索を駆使すれば、研究で必要な情報を素早く見つけることができます。Googleでなくてもよいですが、検索エンジンを的確に使いこなせるようになれば、必要な研究情報を素早く入手できるようになってきます。検索ワードの入れ方次第で、必要な情報が見つかる速度が違ってきます。意外と検索エンジンを使いこなす能力は大事です。
Google翻訳 https://translate.google.co.jp/
ひと言コメント:最近は精度がとても上がり、論文を読むときも書くときもあると便利です。DeepL翻訳もとても便利です。翻訳ソフトが訳しやすいような日本語を書ければ、英語の文章を作る速度も上がります。ただし、翻訳ソフトがあれば英語の論文が書けるようになるというわけではなく、翻訳ソフトが出してくれた英語が正しいかどうか判断できる知識を習得しておくことが必須です。また、専門単語の使い方などは論文を読むことでしか身に付かないと思っています。
Grammarly https://app.grammarly.com/
ひと言コメント:自分が書いた英語文章の文法チェックに役立ちます。ケアレスミスが意外と見つかります。英語が苦手な人も翻訳ソフト+Grammarlyの補助があれば、上達が速くなると思います。ちなみに、日本語の文法チェックソフトなどもあるため、これを使うことで意外と自分の日本語文章の作成能力チェックが出来ます。
ChatGTP https://chat.openai.com/
ひと言コメント:OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットは、研究分野においても非常に強力なツールとなっています。しかし、機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。例えば、未公開の論文の査読サポートに利用することはほとんどの場合、禁じられています。また、提供される情報の正誤については、最終的にユーザーが判断する必要があります。使い方を誤らなければ、このツールは非常に便利です。個人的には、英語のネイティブチェックや誤字脱字チェックにおいて非常に有効だと感じています。また、文字数を増やす作業はやや苦手であるものの、長い文章を要約するなどの作業には高い精度を発揮できる印象があります。日々アップデートが行われているため、最適な使用法は今後も変わり続けると考えられます。生成AIにはそれぞれ個性があるため、ユーザーはその特性を理解し、最も効果的な使い方を見つけることが重要です。
ライフサイエンス辞書 https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl
ひと言コメント:辞書としての機能だけでなく、専門単語の発音チェックにも役立ちます。私は国際学会に行く前にはよく使う単語の発音チェックをしたりしています。マニアックな専門用語については一般的な辞書に載っていないことが多いため、ライフサイエンス辞書が役立ちます。アドオン機能を使って、マウスオーバー辞書としても使えます。
BioRender https://biorender.com/
ひと言コメント:PPTでの作図に限界を感じるものの、イラストレーターは使いこなせないな…というときに便利です。年間使用料はかかるものの、論文や予算申請書等でも使える素材がたくさん入手できます。素材も頻繁に更新されるため、最新の研究分野でも役立ちます。いろんな素材やテンプレートがあるため、使いこなせれば、短時間でそれっぽい図を作成することができます。BioRenderユーザー間でのファイル共有もできるため、二人で一つの図を作ることも簡単にできます。有料ユーザーは「Created with BioRender.com」と書けば発表や論文でも使えたりします。
3.実験時に使えると便利なもの(※私の分野に限ります)
NCBI Gene https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene
ひと言コメント:調べたい遺伝子の配列情報などを確認するときに役立ちます。特定の遺伝子の分子生物学的解析を行うときは必須のツールです。着目している遺伝子のゲノム配列、mRNA配列、cDNA配列、染色体上の位置、バリアント、臓器別発現プロファイル、生物学的機能、関与が推定される生命現象などを知ることが出来ます。研究対象の遺伝子について、愛着を持って進めるためにも、自分が取り組む遺伝子が決まったときはまずは、このサイトで詳細情報を収集してから研究をスタートします。
A plasmid Editor(ApE) https://jorgensen.biology.utah.edu/wayned/ape/
ひと言コメント:plasmid配列を確認・編集するときに役立ちます。遺伝子組換え実験にはこのようなソフトが必須です。制限酵素サイトの確認、シークエンス解析で得た配列とのアライメントなどで重宝します。使い方はYouTubeなどに載っています。私はこれを使用しています。アノテーション機能を駆使すればとても便利です。Primerを設計した位置などはApEファイルに書き込むと忘れずにすみます。
SnapGene https://www.snapgene.com/
ひと言コメント:ApEと同じくplasmid配列を確認・編集するときに役立ちます。ただし、無料版で出来ることは限られています。SnapGene ViewerとSnapGene製品版があります。SnapGene製品版はゲートウェイクローニング、ギブソン・アセンブリ―、インフュージョンクローニング、TAクローニングのシミュレートなども出来ます。海外はSnapGeneユーザーがとても多い気がします。
Primer3 https://bioinfo.ut.ee/primer3-0.4.0/
ひと言コメント:プライマーを設計するときに使っています。シンプルですが便利です。
PrimerBank https://pga.mgh.harvard.edu/primerbank/
ひと言コメント:遺伝子名を打ち込むだけでprimerを出してくれます。ヒトとマウスしか対応していませんが、欲しいprimer配列がすぐに入手できます。SYBRでのqPCR解析ではかなりの成功率なので重宝しています。たまに対応していない遺伝子もあるので、そのときは別の方法でprimer配列を決定します。個人的には論文から配列を取ってくるよりも、このサイトのprimer配列の方が好みです。
Oligo Calculator http://www.ngrl.co.jp/tools/0217oligocalc.htm
ひと言コメント:オリゴのμgやnMを計算するときに役立ちます。遺伝子組換え実験でライゲーションするときなどに、このサイトを使えばmol比などをすぐに決定できます。
モル濃度計算器 https://www.selleck.co.jp/molaritycalculator.jsp
ひと言コメント:Selleck以外もありますが、私はこれをよく使っています。この化合物をどれくらいの液量で溶かそうかな?と確認するときに役立ちます。自力で計算してもよいのですが、このサイトを使うとすぐに溶かす液量が決定できます。化合物を溶かすときは、溶媒と溶解度のチェックも必須です。DW、DMSO、DMFのどれにするか必ず確認します。細胞に作用させる実験では溶媒の混入率は0.1%にしたいので、なるべく濃いストック溶液を調製することが大事です。例えば、DMSOが0.5%以上になると細胞種によっては細胞毒性が生じたりします。試薬調製するときは、溶媒、濃度、液量、保管温度を適切に選択する必要があります。
The Human Protein Atlas http://www.proteinatlas.org/
ひと言コメント:特定の遺伝子の発現・蛋白質の発現を確認するときに便利です。臓器別、細胞株での発現プロファイルも確認できます。私は、特定の遺伝子の分子生物学的解析を行うときはNCBI GeneとThe Human Protein Atlasを必ず見てからスタートするようにしています。注目している遺伝子が標的としている細胞や組織で意外と発現していない…ということもあったりします。
Addgene https://www.addgene.org/
ひと言コメント:2004年に設立された非営利のプラスミド管理・分譲組織です。昔はプラスミドが欲しいときは、作製した研究者に個別に問い合わせる必要がありましたが、いまはaddgeneにデポジットされているplasmidは、addgene経由ですぐに購入することができます。ただし、MTAが必要です。Addgeneは非営利組織ということもあり、とても安価です。CRISPR/Cas9、TALEN、Zinc Finger、蛍光蛋白質、ウイルスベクターなどあらゆるものが入手できます。また、プラスミドの配列情報もアノテーション付きで公開されているため、配列情報を入手する際も役立ちます。例えば、プロモーターの配列を知りたいときに使うことも出来ます。
JCRB細胞バンク https://cellbank.nibiohn.go.jp/cellsearch/
ひと言コメント:国内で欲しい細胞株を探すときに便利です。同意書へのサインが必要です。細胞の培養条件を確認したいときにも便利です。細胞ごとに使用条件が異なっているので、条件を正確に把握する必要があります。
理研セルバンク https://cell.brc.riken.jp/ja/
ひと言コメント:国内で欲しい細胞株を探すときに便利です。同意書へのサインが必要です。細胞の培養条件を確認したいときにも便利です。細胞ごとに使用条件が異なっているので、条件を正確に把握する必要があります。2007年のiPS樹立論文で作製された201B7や253G1は理研セルバンクに分譲依頼できます。PBMCからエピゾーマルベクターで樹立された1383D2、1383D6、1231A3も理研セルバンクに分譲依頼できます。
Cell Products | ATCC https://www.atcc.org/
ひと言コメント:海外も含めて欲しい細胞株を探すときに便利です。国内に比べると届くまでに時間がかかります。培地もATCCブランドのものを使用することが推奨されています。ホームページ記載の指定された条件で培養していないと、細胞が起きなかったときに対応してもらえないことがあります。細胞が起きない!ということもあるので、指定された条件を守る、培養条件の記録を残す、細胞の写真を撮る、のが大事です。
ゲノム編集
CRISPRが登場したことでゲノム編集が圧倒的に簡単になりました。当初はAddgeneの
pX330やpX459をメインに使っていましたが、最近はもっぱらRNPを使っています。当ラボはIDT社(https://sg.idtdna.com/jp/site/alt-r.html)に特にお世話になっております。プラスミド作製無しでいきなりエレポから開始して、培養細胞のゲノム編集ができるのはとても楽です。
CHOPCHOP https://chopchop.cbu.uib.no/
ひと言コメント:CRISPR実験で標的配列を探すときに便利です。
Cas-OFFinder http://www.rgenome.net/cas-offinder/
ひと言コメント:CRISPR実験でoff target siteを探すときに便利です。
TIDE: Tracking of Indels by DEcomposition - Data Curators https://tide.nki.nl/
ひと言コメント:CRISPR実験でIndelが入ったかどうか調べるときに便利です。
ICE CRISPR Analysis Tool https://ice.synthego.com/#/
ひと言コメント:CRISPR実験でIndelが入ったかどうか調べるときに便利です。最近は当研究室はICEをメインで使用しています。何塩基の挿入あるいは欠損しているか分かりやすく表示してくれています。複数のsgRNAsを同時使用したときのゲノム編集実験にも対応しています。
4.研究費関係
グラント申請するときに心がけていること
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応募資格のチェック:これは最も重要なポイントです。応募資格がなかったという事態は意外とよく発生します。過去の採択者の分析も非常に重要で、特定の集団が採択されやすい予算枠が存在することもあります。また、自分の業績や職位を踏まえた上で、申請が可能かどうかを確認することも大切です。申請書の準備にはそれなりの労力がかかるため、申請するか否かの判断は慎重に行うべきです。
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シンプルな構成:書き始める前に、第三者の視点でわかりやすい構成をじっくりと考えることが重要です。執筆を始めると、文章に愛着が湧き、大幅な方針転換が難しくなることがよくあります。私の場合、大きな白紙に鉛筆でアイデアを箇条書きし、構成を何度も練り直すところからスタートします。PCで作業を始めると、1~2日で仕上げることが多いです。短期間で仕上げた方が、一貫性のある文章を書くことができると感じています。
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時間をかけすぎない:グラント申請に時間をかけすぎて、研究時間が減少しないよう注意しています。過度に時間を費やすと、研究時間が減少し、それに伴って論文数も減り、結果的に次回のグラント申請でも当選しにくくなる負のスパイラルに陥ることがあります。申請書の質を高めることも重要ですが、その時の流れや運によって採択の可否が決まることも多いです。どんなに良い申請書を準備しても、外れるときは外れるため、不採択となっても大きなダメージにならない程度の労力で申請を行うよう心がけています。
科学研究費助成事業(科研費) - 日本学術振興会 https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/
ひと言コメント:科研費のページです。昔は多くの予算は4月1日に結果が出ていましたが、2022年以降は2月末に結果が出るようになりました(予算種目にもよります)。研究活動スタート支援、若手研究、基盤C、基盤B、基盤A、基盤S、特別推進の順にステップアップしていきます。重複制限を含むルールは年々更新されていくため、毎年ルールを確認する必要があります。どの予算も当たると嬉しいですが、科研費は分野を問わずどの研究者も知っている制度なので、当たったときの達成感が特に大きいです。
特別研究員 - 日本学術振興会 https://www.jsps.go.jp/j-pd/
ひと言コメント:特別研究員は昭和60年度に出来た歴史のある制度です。DC1、DC2、PD、SPDに応募予定の方は要チェックです。研究奨励費と研究費があります。博士後期課程に進学する学生にとって、非常に重要な制度です。JSPSの締切とは別に各大学の締切があるので、早めの準備が必要です。多くの大学ではGW前後が締切です。個人差もあると思いますが、3月くらいから準備した方がいいかなと思っています。採択は9月か10月です。採択通知日は予告なしなので、秋になるといつ結果が通知されるのか分からないためハラハラします。ツイッター(X)を見ると似た境遇の方がたくさんいるので、少し安心できます。
AMED: 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 https://www.amed.go.jp/
ひと言コメント:2015年発足。医療分野における基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進と成果の実用化に向けた取組の管理・予算支援などを行う組織。エーメドと呼んだり、エーメッドと呼んだりしますが、私はどちらが正解かいまだに分かっていません。ホームページには公募情報や採択情報だけでなく、研究に関するプレスリリースもあるので、RSS購読すると便利です。本部は大手町の読売新聞ビルにあります。私はヒアリングのときは1階のカフェで時間を調整することが多いです。コロナ禍以降は、WEBヒアリングがメインになったため、ご訪問する機会が激減しております。
革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST, PRIME)https://www.amed.go.jp/program/list/16/02/001.html
ひと言コメント:JSTさきがけ・CRESTの医療分野での親戚事業です。私は感染症創薬CREST(FY2021-FY2026)でお世話になっています。申請書は英語で、倍率も高く、ハードな応募ですが、チャレンジすることが重要だと考えています。CRESTといえば大御所シニア枠…というイメージもあるかもしれませんが、若手の挑戦も歓迎されていることが多いので、やはりチャレンジあるのみだと思います。また、学内のURAに皆様にご支援頂くことで、よりよい申請書が仕上がります。京大のURAの皆様によるサポートはとても強力で、ご支援がなければ通らなかったと思います。倍率が高い領域では読みやすい申請書を作り、1回聞けば理解してもらえるプレゼンをすることが、特に重要だと思っております。
国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) https://www.jst.go.jp/
ひと言コメント:1957年設立。医療研究はAMEDに移管されたものの、多様な研究領域の管理・予算支援などを行っている組織です。どの分野でも関与する事業として、戦略的創造研究推進事業(CREST、さきがけ、ACT-Xなど)や創発的研究支援事業、次世代研究者挑戦的研究プログラムなどがあります。大学院生、ポスドク、教員のそれぞれのステップに合わせた事業が展開されているため、積極的に応募して、自らの研究を強力に推進する予算と支援を獲得することが大事だと思っています。当研究室では教員・ポスドクはもちろんですが、大学院生もACT-X等に積極的に挑戦することを推奨しています。希望する場合は最大限支援しております。
さきがけ - 国立研究開発法人 科学技術振興機構 https://www.jst.go.jp/kisoken/presto/
ひと言コメント:JST事業のうち、さきがけが特に思い出深かったので、さきがけについて少し書くことにしました。私は光操作領域(FY2016-2020)でお世話になりました。倍率は高く、面接はハードでしたが、半年に一度開催される領域会議はとても楽しむことが出来ました。コロナ前だったため、対面で実施できる領域会議と毎回実施される飲み会はとても楽しかったです。予算規模という点でも非常に大きいですが、同世代の研究者との緊密なネットワークができることが最も大きなメリットだと思いました。さきがけが終わってからも、共同研究が続いたり、別の予算に一緒にチャレンジさせて頂いたりしております。CRESTと同様、自分自身での準備に加えて、URAの皆様のサポートも非常に重要だと思います。審査員の方々は、大量かつ分野外の申請書を採点する必要があるため、いかに審査員の方々が理解しやすいものを作るかが大事だと思います。
KAKEN — 研究課題をさがす https://kaken.nii.ac.jp/ja/
ひと言コメント:採択課題を探すときに役立ちます。採択後一か月程度でこのサイトに反映されています。科研費はどの区分に出すか、というのも重要なファクターなので、このサイトをじっくり眺めて次の申請の戦略を考えることも大事だと思います。
日本の研究.com https://research-er.jp/
ひと言コメント:研究費が多岐にわたっていて、研究者ごとの獲得予算が分からないときに、これを見てみると便利です。完全にあっているわけではないですが、ある程度は参考になります。